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あれこれ書く予定。

ろびこ「君と僕の大切な話」のコマの間を読んでみる

ろびこ先生の「君と僕の大切な話」という大好きな作品がありまして。

僕と君の大切な話(1) (デザートコミックス) 僕と君の大切な話(2) (デザートコミックス) 僕と君の大切な話(3) (デザートコミックス)

 掲載が不定期なせいか単行本が出るスピードがたいへんゆっくりなのですが、そのぶん新刊が出たときの喜びはひとしお。先日4巻が出たので、あらためて1~3巻を読み返して4巻もじっくり読みました。

僕と君の大切な話(4) (デザートコミックス)

そうしたら「ん?」と思わずにいられない部分がいくつもあったのです。

話の中心が東と相沢さんのイチャイチャ(というか相沢さんの暴走)なので見逃しがちな、ひょっとしたら……これはこういうことなんじゃないのか? という行間・コマ間の伏線について予想をアレコレ書き留めておきたいと思います。

今後の続刊で予想が当たってたらご喝采ということで。

暇人の所業であることは百も承知です。

1. カフェインが二股をかけられていた女子のメールにあった男の名前=リュージの正体

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わかりやすいところから。

相沢さんに負けず劣らずの無自覚なモテを発揮する弟・龍二くんは、おそらく1巻でカフェインが振られた相手が「つきあうから」と言っていた「リュージ」ではないかと予測されます。

ただ、読んでいればわかるとおり、龍二くんにその気はなく女子が勝手に騒いでいるだけのようなのですが……

 

2. 相沢さんの弟「龍二」は、実は相沢さんの親友・はまりんのことを?

4巻のオマケマンガで、相沢さんの弟・龍二くんの顔が初めて登場しました。

はまりんは相沢さんの親友なので、当然龍二くんとも面識があるようです。

問題はこの後のシーン。

龍二くん、はまりんと一緒にいたカフェインに礼儀正しく会釈してクールに去るのですが、その周囲にはポワポワしたトーンが……

雪の表現? と思わなくもないのですが、深読みするともしかして、龍二くん⇒はまりんという矢印が伸びていて、はまりんと一緒にいたカフェインを値踏みしたとかそういう事がありえるんじゃないかと。

……だとすると

カフェイン⇒元彼女⇒龍二くん⇒はまりん⇒カフェインというものすごいペンタゴンが!!

(まあ単なる深読みだと思いますけど……)

 

3. 東くんのクラスの三人娘の一人・九藤ちゃんの正体

 4巻で自分がもっとも気になったシーンがここでした。

水族館でイチャイチャする東くんと相沢さんに、九藤ちゃんが意味ありげな目線を送るコマが出てくるのです。

これまで、ほぼまるっきりモブキャラ扱いだった彼女。

なぜ突然、九藤ちゃんにスポットが?

もしかして相沢さんの対抗キャラとしてクール系美人の九藤ちゃんが、実は東くんに想いを寄せているという展開があるのか?

読み返してみると、確かに意味深な視線を送っているシーンがいくつかある!!

……と、思ってワクテカしてしまったのですが。

何度か読み返しているうちにあることに気付いてしまった。

4巻で、顔が出ていないとはいえ初めて姿が登場した、東くんの(キョーレツな女性に対するトラウマを東くんに対して植え付けた)4人の叔母。このうちの叔母Dをごらんください。

セーラー服です。しかも、東くんの学校の制服なんですね、これ。

えっ、叔母Dって高校生なんだ。

と思ってよく観たら、ロングへアといい、ニットの手元の裾といい……

  

……これ九藤ちゃんじゃないの?

学校では知らないフリしてるけど、実は叔母という展開?

だったら、東くんの家に勝手に出入りしている親友・圭介が知らないはずないけど、そこは「みんな知ってるから特別なことではない」的な?

という仮説にたどり着いたのです。

いかがでしょうか!?(いかがでしょうかじゃねえよ)

5巻は2018年冬の発売ということで、今からどういう展開になるのかが待ちきれませんが、のんびり答え合わせができるのを待ちたいと思います。

 

ではまた。

 

アンディ・ウィアー「アルテミス」を読んだのです。

アンディ・ウィアー「アルテミス」読了しました。
以下感想。特にネタバレはないけど、気にする人は読まないほうがいいと思います。

アルテミス 上 (ハヤカワ文庫SF) アルテミス 下 (ハヤカワ文庫SF)

「火星の人」の新作ということでたいへん注目をあつめていた本作、開いてみれば今度は月が舞台のクライム・サスペンスでした。……クライムサスペンスか? まあ法は冒してるし……。でも主人公は前作の火星無責任男マーク・ワトニーみたいに、やっぱりユーモアで苦境を乗り越えていく天才美女(自称)。両者が組み合わさって、ドライブ感のあるストーリーを展開していました。一気に読んじゃった。

もちろん、綿密な物理・化学知識に裏付けられたディティールの細かさは健在。なるほど月が観光地化して人が住みだすと、確かにそうなるよね、ナットク! と膝を打ちっぱなしです。

別に、人民を実は支配している巨大なコンピュータと革命したりしませんし、月に結婚式場を作ったりはしません。「月面モノ」にありがちな、月面単独走500km、みたいな要素は序盤で早々に「そういう話じゃないから!」と否定されます。この小説で描かれるのは、どこにいようとたくましく(ずる賢く)生き延びる人間の意思と、その背骨となる科学という共通語と、親子の情と約束のお話です。

最後に本文から少しだけ引用。

父さんは 、ほかのなによりもわたしのことを三三六パ ーセント増しで愛しているということだ 。

 

わかってよかった 。

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読んでください。面白いよ。

「火星の人」を未読であれば、あなたは幸せです。

こんな面白い小説をこれから読めるんだから。

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

 
火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)

 

 映画版でもいいかも。

 ★

余談。

ちなみに本作「アルテミス」はすでに映画化が進行していて、監督は「LEGO ムービー」の人なんだって! 勝ったッ! すべてはサイコー!

 

 

ベイビードライバー、俺たちのエドガー・ライト

Amazon Videoをはじめとする動画配信サービスで、エドガーライト監督「ベイビードライバー」の配信が始まったので早速観ました。この映画、劇場でかかっている時に観たかったもののタイミングを逃し、結局見にいけてなかったのです。


エドガー・ライト最新作『ベイビー・ドライバー』予告編

いやー面白かった。とにかく観ていて楽しい。音楽と映像が完全にシンクロするミュージカル風クライムアクションという珍しい作品です。どこかワイルドアットハートを思い起こさせますが、そういった過去作品に対するリスペクト風オマージュも多数含まれていていい感じ。「グッドフェローズ・ピザ」ってあんた……。

自分がエドガー・ライト監督作品に初めて触れたのはホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!でした。当時話題になってたのでご覧になった方も多いかと思います。


Hot Fuzz 2007 HD Trailer 1 Simon Pegg Nick Frost Martin Freeman

観た当時は、なんというモノを撮るんだと思ったものです。その後、「スコットピルグリム」などのマイナー路線からすっかり脱却して、「タンタンの冒険」とかアントマンとか、メジャー路線に乗っかってすっかり垢抜けてしまいました。

一抹の寂しさを感じるなーと思っていたところ、ぶつけられた「ベイビードライバー」は……相変わらずでした。映像も音楽もすっかりスタイリッシュになったけど、根っこに映画オタク臭がある。ダサアクションがある。悪趣味の発露がある。やったッ! 俺たちのエドガー・ライトは相変わらずだった!

ただ「ベイビードライバー」、音楽と映像のシンクロが見どころなだけに、家のちっちゃいTVで観るには少し物足りなかったのも事実です。劇場で観たかったなー。

とはいえ正月のお屠蘇気分にはぴったりの映画なのでオススメです。ぜひ。

 

 

 

蓬莱学園について

電ファミミニコーナーで、なんと「蓬莱学園」について振り返る対談企画があがっていました。

ものすごい読み応えなので、蓬莱を知っている方は当然、知らない方はこんな凄いコンテンツ・ムーブメントがあったのだということを知る意味で一読をオススメいたします。

【ゲームの企画書】リアルを舞台に数千人規模でゲーム…そんなのは約30年前に存在した! 「蓬萊学園」狂気の1年を今こそ語りあおう【新城カズマ×齊藤陽介×中津宗一郎 】

news.denfaminicogamer.jp

自分は蓬莱学園のリアルタイム時にはまだ中学生で経済的に参加できるわけもなく、後に数々出版された小説や設定資料集などを見ては悔しい思いをしていました。

南海の孤島に存在する生徒10万人の巨大学園! 秘境あり怪奇ありマッドサイエンスあり軍事あり恋愛あり侍あり銃士ありの何でもありなムチャクチャな世界観。自分も参加してみたかった。この世界の一部になりたかった蓬莱ワナビーの一人です。自分の気持ちを代弁していただくなら、まさにこんな感じ。

 

 

 ……今となっては蓬莱学園が復活(小説の再出版や参加型ゲームとして)は望むべくもありませんが、ときどき遠く宇津帆島に思いを馳せるのです。蓬莱学園は確かにそこにあった。

「彼方のアストラ」完結!!

 年の瀬も迫る中、まんが雑誌はたいてい合併号などになってお休みになりますが、今週のジャンプ+(プラス)の更新で篠原健太「彼方のアストラ」が完結しました。

感動の大団円! 同作はサマーキャンプの最中、事故に遭って宇宙に放り出さた9人の少年少女が、偶然乗り込んだ宇宙船「アストラ号」で故郷を目指すというお話です。

(1話の表紙。なんかすごく懐かしい感じが……)

これがドがつくほどの正統SFなんですよ。漂着する惑星の奇妙な生態系に巻き込まれて危機に陥ったり、メンバーの個性的な能力でそれを乗り越えたり。

それぞれのキャラクターも腹に一物秘めていたり、意外な関係性が明らかにされたり。

で、作者は「スケットダンス」の篠原健太です。スケットダンスを読んだ方には思い当たるであろう、ドビックリな展開も待っています。これについては多くは語らないというか語れないというか、いいから読めよ! としか言えません。

最終巻は5巻で来年発売になるということです。全5巻でサクッと読める名作ですよ。おすすめ。

 

彼方のアストラ 1 (ジャンプコミックス)

彼方のアストラ 1 (ジャンプコミックス)

 
彼方のアストラ 4 (ジャンプコミックス)

彼方のアストラ 4 (ジャンプコミックス)

 
彼方のアストラ 3 (ジャンプコミックス)

彼方のアストラ 3 (ジャンプコミックス)

 
彼方のアストラ 2 (ジャンプコミックス)

彼方のアストラ 2 (ジャンプコミックス)