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あれこれ書く予定。

アンディ・ウィアー「アルテミス」を読んだのです。

アンディ・ウィアー「アルテミス」読了しました。
以下感想。特にネタバレはないけど、気にする人は読まないほうがいいと思います。

アルテミス 上 (ハヤカワ文庫SF) アルテミス 下 (ハヤカワ文庫SF)

「火星の人」の新作ということでたいへん注目をあつめていた本作、開いてみれば今度は月が舞台のクライム・サスペンスでした。……クライムサスペンスか? まあ法は冒してるし……。でも主人公は前作の火星無責任男マーク・ワトニーみたいに、やっぱりユーモアで苦境を乗り越えていく天才美女(自称)。両者が組み合わさって、ドライブ感のあるストーリーを展開していました。一気に読んじゃった。

もちろん、綿密な物理・化学知識に裏付けられたディティールの細かさは健在。なるほど月が観光地化して人が住みだすと、確かにそうなるよね、ナットク! と膝を打ちっぱなしです。

別に、人民を実は支配している巨大なコンピュータと革命したりしませんし、月に結婚式場を作ったりはしません。「月面モノ」にありがちな、月面単独走500km、みたいな要素は序盤で早々に「そういう話じゃないから!」と否定されます。この小説で描かれるのは、どこにいようとたくましく(ずる賢く)生き延びる人間の意思と、その背骨となる科学という共通語と、親子の情と約束のお話です。

最後に本文から少しだけ引用。

父さんは 、ほかのなによりもわたしのことを三三六パ ーセント増しで愛しているということだ 。

 

わかってよかった 。

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読んでください。面白いよ。

「火星の人」を未読であれば、あなたは幸せです。

こんな面白い小説をこれから読めるんだから。

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

 
火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)

 

 映画版でもいいかも。

 ★

余談。

ちなみに本作「アルテミス」はすでに映画化が進行していて、監督は「LEGO ムービー」の人なんだって! 勝ったッ! すべてはサイコー!