意味もなく引き伸ばしましたが、俺内ベスト漫画2017を発表いたします。
大童澄瞳「映像研には手を出すな!」
こちらに決定!
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正直、前編であげた作品は全部素晴らしいので甲乙つけがたいところはあるんですが、「俺内」の言葉通り、自分もモノ作りに携わる人間として、わかりみが深く共感できたのが選出理由として大きいです。
何かを作り上げるのって一筋縄では行きません。ヒト・モノ・カネの問題については当然です。そういう作品はけっこう多い中で、本作は制作過程で発生するさまざまな問題に突っ込んでいる。この「一筋縄ではない」ことをココまでちゃんと描いた作品って珍しいと思うんですよね。
制作者同士のイメージや予算・時間のすり合わせがうまくいかない問題とか。
外部の制作者との協調が必要な場合は、意識の違いに苦労する。
こちら当方がいちばんグッときたシーン。「完成形を想像する回路が未発達」って!!
やがて「自分の表現力不足」を嘆き。
アタマの中では完璧なものが動いているのに! なぜ! 表現できない!
そして「不安」に悩む。
こんなもの全然面白くないんじゃないか? 誰も喜ばないんじゃないか?
でも、そんなときに背中を押してくれる人間のありがたさを実感する。
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これだけ書くとお仕事漫画のようにも見えるかもしれませんが、空想と現実の間を行き来するイマジネーション爆発の表現の豊かさも飛び抜けていると思います。
この作品の素晴らしさを皆に知ってほしい! ということで勝手にマイ・ベスト2017に選ばせていただきました。ありがとうございました。